退職代行サービスを使いたいけど、引き継ぎなしで退職していいのか不安…などと悩んでいませんか。
退職時に必要になってくる引き継ぎ問題。
特に円満退職をするなら後任者だけでなく、会社にとっても大切なものです。
結論から言うと、法律上引き継ぎをしなくても退職できます。
ただし、会社に具体的な損害を与えた場合はリスクがあることも確認しておきましょう。
今回は、引き継ぎなしで退職は可能か、またその際に伴う5つのリスクについて解説します。
退職代行サービスとはそもそも何かを知りたい場合は「退職代行とは?初心者でも分かるサービスの実態裏と6つの疑問を徹底検証」をチェック
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目次
退職代行で引き継ぎなしで辞めることは可能?
冒頭でもお話したように、退職代行サービスを使う上で引き継ぎなしで退職することは可能です。
どの法律を見ても、引き継ぎに関する法的強制力は一切ありません。
そもそも、労働者は退職を2週間前に伝えていればいつでも辞められる権利があるため、引き継ぎを義務とした規定を作ることができません。
この退職の自由については民放627条1項で規定されています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。
ー 民法(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)627条1項
そのため2週間分の有休消化または欠勤(病欠)をすれば、引き継ぎなしで即日退職することが出来るわけです。
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引き継ぎなしの退職で考え得る5つのリスク
さて、法律上引き継ぎなしで退職が可能であることを解説しましたが、とはいえ基本的にはおすすめしません。
引き継ぎは、会社側と円満退職する上では大切な業務です。
ここからは、引き継ぎをせずに退職代行を使う上で、考え得る5つのリスクについてお話します。
- 損害賠償を請求されるリスク:可能性は低い
- 懲役解雇を下されるリスク:ほぼ不可能
- 有休消化ができないリスク:ほぼ不可能
- 協議を持ちかけられるリスク:可能性あり
- 退職金減額のリスク:可能性あり
損害賠償を請求されるリスク
まずはじめに考えられるのが、「引き継ぎをせずに退職すると損害賠償を請求されるのではないか」というリスク。
以下の2点に当てはまる場合、損害賠償請求が出てくる可能性があります。
- 引き継ぎせずに退職した結果、業務上に大きな損失が生じた場合
- 退職以前から無断欠勤を続けており、会社の要請にも応じない場合
特に、会社の中で重要な立場にいる人や、大きな仕事を任せられている人は引き継ぎはしておくのが無難です。
とはいえ、訴訟する時間や金銭的な面を考慮すると、たった一人のために動くのは会社側として非常に効率が悪いのも事実。
そのため、損害賠償の請求は非現実的ですが、あまりにも会社側に実害を与えた場合は可能性がゼロとはいえません。
懲役解雇を下されるリスク
次に引き継ぎをしないことで「懲役解雇を下されるのではないか」というリスクも考えられますよね。
これは損害賠償よりもハードルが高く、可能性はほぼゼロに近いでしょう。
そもそも懲役解雇を下すには一定の条件があり、会社が恣意的にできるものではありません。
懲役解雇が認められるのは窃盗や経歴詐称など、犯罪に近い行為が多く挙げられます。
▼懲役解雇が認められる6ケース
・窃盗や横領、傷害など、刑法犯に該当する行為があった場合。
・賭博などによって職場規律や風紀を乱し他の労働者に悪影響を及ぼす場合。
・当該業務に必要となる資格や免許を有していないなどの経歴詐称。
・正当な理由なく2週間以上の無断欠勤して出勤の督促にも応じない場合。
・遅刻や中退が著しく、再三の注意や処分によっても改善されない場合。
・他の事業所へ転職をし、労務を行なえない場合。引用:http://www.roudou110.com/kiso/14.html
さらに懲役解雇を下すためには、
(認定を受けずに、予告手当の支払なしに即時解雇した場合は労働基準法上の義務違反として罰則が適用される)
以上の理由から、『引き継ぎをしなかった』という事実だけで懲役解雇はほぼ不可能です。
有休消化ができないリスク
引き継ぎをしないことを理由に「有給休暇を消化させない」というリスクもありますが、こちらもほぼ不可能です。
有給休暇は労働基準法第39条1項より労働者に必ず与えられる義務であり、会社側が認めないのは法律的観点から違法行為になります。
クジラちゃん
ただし、会社側が「時季変更権」を行使する懸念もあります。
「時季変更権」とは、事業の正常な運営を妨げる場合に、会社側が労働者の有給取得の時季を変更できる権利。
この有給の時季を変更することで引継ぎを行わせることが考えられるでしょう。
しかし、退職日を過ぎた時期変更は法律上できず、この場合も予定通り有休消化ができるので安心してください。
また、有給を取ることで「事業の正常な運営を妨げる」状況は現実的に限られており、認められないケースが多いです。
したがって、引き継ぎなしで退職したからとはいえ、有休休暇は希望通りに消化できるでしょう。
協議を持ちかけられるリスク
一方で退職代行を使う際に、会社から協議を持ちかけられる可能性は非常に高いです。
「最低限、引き継ぎはして退職はしてほしい」「退職はあと1週間は待ってほしい」といった提案ですね。
それでも労働者が拒否すれば会社側も受け入れざるを得ませんが、この協議に対して前向きにお互い納得できるところまで話し合うのもいいかもしれません。
退職金減額のリスク
最後に、退職金が減額されるリスクについてです。
結論を言うと、会社が「引き継ぎをしなかったので退職金を減額する」ことは可能ではあります。
通常の給与とは異なり、退職金はあくまで会社独自で規定されたものです。
そのため、会社側が「引継ぎをしなかった場合、退職金の一部又は全部を支給しない」などの規定を就業規則で定めている場合は、退職金を減額または全額没収することができます。
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結論:簡単な引き継ぎはしておいた方が無難
さて、退職代行を使う上で引き継ぎをしないことで伴う5つのリスクを解説しました。
これまでの内容を改めてまとめると以下の通り。
損害賠償のリスク | 可能性は低い |
懲役解雇のリスク | ほぼ不可能 |
有休消化ができないリスク | ほぼ不可能 |
協議を持ちかけられるリスク | 可能性あり |
退職金減額のリスク | 可能性あり |
冒頭でもお話した通り、「引き継ぎして退職しなければいけない」という法的強制力はありません。
しかし、可能性は低いものの、リスクもゼロではないので引き継ぎをやるに越したことはないでしょう。
そのため、もし退職代行を使うのであれば、事前にある程度の身の回りの整理はあらかじめしておくことをおすすめします。
また、メモやメールで必要最低限の情報は共有しておくのも大事です。
完全にやるまではいかなくとも、最低限の引き継ぎさえしておけば、損害賠償などのリスクはありませんよ。
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